工法

遮熱シートと遮熱塗装の違い|工場ではどっちを選ぶ?

最終更新:2026年6月|工場・倉庫の暑さ対策ナビ

工場の遮熱には、大きく「遮熱シート」と「遮熱塗装」の2つの方法があります。どちらも屋根からの熱を抑えるものですが、仕組み・費用・耐久性・向いているケースが違います。この記事で違いを整理し、工場ではどちらを選べばよいかを解説します。

仕組みの違い

暑さの主な原因は、太陽から放射される輻射熱(放射熱)です。遮熱シートと遮熱塗装は、この熱への対処の仕方が異なります。

遮熱シート

高純度のアルミ箔などでできたシートで、輻射熱を「反射」して跳ね返します。屋根の外側に貼る外貼り工法や、屋根裏・天井側に施工する方法があります。

遮熱塗装

太陽光のうち熱の原因となる近赤外線を反射する塗料を、屋根や外壁に塗ります。屋根の塗り替えと同時に行えるのが特徴です。

効果・耐久性の違い

遮熱シートは、アルミが劣化しにくいため効果が長く安定しやすいのが強みです。メーカーの実証(静岡大学との共同実験など)では、輻射熱を約97%反射し、夏の室温を最大約9℃抑え、エアコンの消費電力を約27%削減した例が報告されています。

遮熱塗装は、塗料なので経年で効果が落ち、耐用年数を過ぎると塗り替えが必要です。耐用年数は樹脂によって異なり、シリコン系で約10〜15年、フッ素・無機系で約15〜20年が目安です。表面が汚れると反射性能が下がる点にも注意が必要です。

費用の目安

費用は屋根の形状・面積・劣化状況で変わりますが、㎡単価の目安は次のとおりです。

種類 ㎡単価の目安 特徴
遮熱塗装(シリコン系) 3,000〜5,000円 耐用 約10〜15年
遮熱塗装(フッ素・無機系) 4,500〜6,500円 耐用 約15〜20年
遮熱シート 3,000〜8,000円 施工方法・製品で幅。長寿命で安定

これに加えて、足場(約700〜1,500円/㎡)・高圧洗浄(+500円/㎡〜)・下地処理(+1,000円/㎡〜)などの付帯費用がかかります。総額の目安や投資回収の考え方は遮熱施工の温度変化と種類別の費用相場で詳しく解説しています。

工場ではどっちを選ぶ?

「どちらが優れている」ではなく、屋根の状態や目的で選ぶのが正解です。下記を目安にしてください。

遮熱シートが向くケース 遮熱塗装が向くケース
稼働を止めずに(屋根裏側で)施工したい ちょうど屋根の塗り替え時期が来ている
長期で安定した効果を重視する 初期費用をできるだけ抑えたい
輻射熱をしっかり反射したい 屋根の防水・美観も同時に整えたい
判断のコツ:屋根材の種類・劣化の程度・稼働を止められるか・予算で最適解は変わります。メリット・デメリットはこちらの記事で整理しています。最終的には現地調査をしてもらい、複数社の見積もりを中立に比較するのが確実です(業者を比較無料で一括見積もり)。

出典

  • 遮熱シート・遮熱塗料メーカー、施工会社が公表する製品情報・費用相場・実証データ(ライフテック「サーモバリア」、関西ペイント「アレスクール」、日本ペイント「サーモアイ」、エスケー化研「クールタイト」 ほか)

※ 費用・効果は建物条件や製品で変動します。正確な金額は各社の見積もりでご確認ください。