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工場・倉庫の暑さと熱中症リスク|過去最多の現状と2025年の義務化

最終更新:2026年6月|工場・倉庫の暑さ対策ナビ

夏の工場・倉庫は、屋根からの熱で室温が上がりやすく、熱中症の危険が高い場所です。職場の熱中症は近年急増し、製造業は被災者数が最も多い業種となっています。2025年6月からは事業者に対策が義務づけられました。この記事では公的な統計と制度の要点を整理します。

職場の熱中症は「過去最多」を更新し続けている

厚生労働省の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」によると、2024年(令和6年)の死傷者数(死亡・休業4日以上)は1,257人で、統計を取り始めた2005年以降で最多となりました。死亡者数も31人にのぼっています。これは2015年の472人と比べて約2.7倍にあたり、この10年で職場の熱中症がいかに深刻化しているかを示しています。さらに2025年は速報値で1,681人と、最多をさらに更新しました。

1,257
2024年 職場の熱中症 死傷者数(過去最多)
31
うち死亡者数
約2.7
2015年(472人)比の増加

製造業は被災者数が最も多い業種

2024年の死傷者を業種別にみると、製造業が235人で最多、次いで建設業228人、運送業186人の順でした。製造業と建設業の2業種だけで全体の約4割を占めています。工場・倉庫を主な現場とする製造業・運送業は、職場の熱中症リスクが特に高い領域だといえます。

業種 2024年 死傷者数
製造業 235人(最多)
建設業 228人
運送業 186人

また、被災のタイミングは約8割が7月・8月に集中しています。年齢別では50歳代以上が死傷者の約56%、死亡者の約67%を占め、高年齢の従業員ほどリスクが高い傾向が示されています。

2025年6月、職場の熱中症対策が「義務」になった

こうした状況を受けて、労働安全衛生規則が改正され、2025年6月1日から職場の熱中症対策が事業者の義務となりました(第612条の2)。一定の暑熱環境(暑さ指数WBGTが高い環境など)で作業を行う場合、事業者には次の対応が求められます。

ポイント:義務化の対象になるかは作業環境の暑さ指数(WBGT)や作業時間で判断されます。罰則の対象にもなり得るため、空調や休憩だけでなく、建物そのものの暑さを下げる対策(屋根の遮熱など)を検討する企業が増えています。

なぜ工場・倉庫は暑くなるのか

工場・倉庫が暑くなる大きな原因のひとつが、屋根から侵入する太陽の輻射熱(放射熱)です。金属の折板屋根やスレート屋根は夏に表面温度が60℃を超えることもあり、その熱が屋根裏から室内へ伝わって室温を押し上げます。天井が高く空間が広い工場・倉庫では、空調だけで室温を下げるのは難しく、コストもかさみます。だからこそ、熱の入口である屋根で熱を止める「遮熱」という考え方が有効になります。

遮熱施工による具体的な温度変化や費用は、遮熱施工の温度変化と種類別の費用相場で詳しく解説しています。また、暑さは人だけでなく商品や機械にも影響します。詳しくは高温が商品・機材に与える影響をご覧ください。

出典

  • 厚生労働省「2024年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」
  • 厚生労働省「職場における熱中症予防情報」
  • 労働安全衛生規則 第612条の2(2025年6月1日施行)

※ 統計・制度は更新される場合があります。最新の数値・要件は各一次情報をご確認ください。