自動車関連工場が暑くなる理由
自動車関連工場では、製造工程そのものが多くの熱を生みます。金属板の溶接・板金、プレス、塗装の乾燥炉、樹脂成形、鋳造・溶解炉などです。こうした機械・設備から出る熱の多く(約75%)は輻射熱で、空気を冷やすだけでは防げないのが特徴です。さらに塗装服や防塵服を着用する工程では通気性が悪く、体に熱がこもりやすくなります。
そして見落とされがちなのが屋根です。折板屋根は夏に表面温度が70℃近くに達し、天井から輻射熱が降り注ぎます。機械の熱と屋根の熱が同時に作業者を包むため、機械だけ対策しても暑さが解消しないことが多いのです。
高温がもたらすリスク
- 熱中症:製造業は職場の熱中症が業種別で最多です(熱中症リスクの記事)。
- 精度・品質の低下:金属は熱膨張で寸法が変化し、ミクロン単位の精度が求められる加工に影響します。
- 設備の故障:制御盤の電子部品は「温度が10℃上がると寿命が半分になる(10℃2倍則)」とも言われ、高温は故障やライン停止を招きます(商品・機材への影響)。
東海は自動車産業の中心地
東海地方は、トヨタ自動車を中心とした自動車産業が集積する中京工業地帯で、愛知県の輸送用機械の製造品出荷額は全国シェア約5割に達します。それだけ自動車関連の工場・部品工場が多く、暑さ対策のニーズも高い地域です(東海の工場が暑い理由と遮熱対策)。
対策は「発生源」と「屋根」の両面で
① 機械・炉の熱を抑える(発生源対策)
高温になる機械や乾燥炉・溶解炉を遮熱シートで包む、または直上に排気フードを設けて熱気を屋外へ逃がします。塗装乾燥炉に遮熱施工して表面温度が大きく下がり、熱効率が上がった事例も報告されています。
② 屋根の遮熱(侵入対策)
屋根からの輻射熱を反射して、天井からの熱の降り注ぎを抑えます。発生源対策と組み合わせることで、はじめて室温が下がります。工法は遮熱シートと遮熱塗装の違い、費用は費用相場をご覧ください。
③ 換気・冷却・ゾーニング
誘引ファンや換気扇で熱気を排出し、スポットクーラーで作業者を冷却。ビニールカーテンで熱源と作業エリアを分けると、冷房効率が上がります。「エアコンが効かない」場合の考え方はこちらの記事で解説しています。
工程・設備によって最適な対策は変わります。現地調査をしてもらい、複数社で比較するのが確実です(業者を比較/無料で一括見積もり)。
出典
- 製造業の暑熱対策・遮熱の各社解説、遮熱シートメーカーの実証・施工事例(乾燥炉・機械への施工 ほか)
- 厚生労働省「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」、中京工業地帯の製造品出荷額に関する資料
※ 効果や最適な対策は工程・設備により異なります。最終判断は専門業者の現地調査に基づいて行ってください。