食品工場で暑さ・湿気が問題になる理由
食品工場は、水を使う工程・蒸気の発生・大型の冷蔵冷凍設備などにより、もともと多湿になりやすい環境です。そこに夏の暑さが加わると、カビや細菌が繁殖しやすい条件が整ってしまいます。一般にカビは温度20〜45℃(最適25〜28℃)・湿度60〜70%以上で、食品カスなどの栄養があると発生しやすいとされ、食品工場はこの条件がそろいやすい場所です。HACCP(2021年6月に完全義務化)に沿った衛生管理の面でも、温湿度の管理は欠かせません。
結露とカビのメカニズム
カビの大きな引き金になるのが結露です。結露は、製造エリアとそれ以外のエリア、あるいは外気と室内などの温度差によって発生します。夏は屋根や天井裏が高温になるため、室内との温度差が大きくなり、天井・壁・配管まわりに結露が生じやすくなります。特に、天井裏の配管や大型設備・冷蔵庫の裏側など、日常の清掃が届きにくい場所でカビが発生しやすいのが厄介な点です。
暑さ・結露がもたらすリスク
- 食中毒・異物混入:カビや細菌が繁殖し、食品への混入や食中毒事故につながると、回収や信用失墜という重大な損失になります。
- 品質劣化:温度が上がると食品の劣化が早まり、不良・廃棄ロスが増えます(高温が商品・機材に与える影響もご覧ください)。
- 作業者の熱中症:製造業は職場の熱中症が業種別で最多です(熱中症リスクの記事)。
食品工場の暑さ・結露対策
大切なのは「そもそもカビ・結露が発生しにくい環境をつくる」ことです。次の対策を組み合わせます。
① 屋根の遮熱で天井温度を下げる(土台)
屋根からの輻射熱を反射して天井・室内の温度上昇を抑えると、室内との温度差が縮まり、結露そのものを起きにくくできます。湿度対策の前に、まず建物の温度を安定させるのが効果的です。
② 断熱・換気・除湿で湿度を管理
断熱で外気の影響をやわらげ、換気・除湿機で庫内の湿度を下げます。湿度を低く保つことがカビ抑制の基本です。
③ 衛生管理(清掃・HACCP)を継続
食品カスや汚れ(カビの栄養)を残さない日々の清掃と、温湿度の記録・管理を続けます。
自社に合う対策は、建物の構造や扱う食品で変わります。現地調査をしてもらい、複数社で比較するのが確実です(業者を比較/無料で一括見積もり)。
出典
- 食品衛生・食品工場建設の各社解説(カビの発生条件、結露とカビの関係、HACCP衛生管理 ほか)
- 厚生労働省「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」「HACCPに沿った衛生管理」
※ 条件や最適な対策は施設により異なります。最終判断は専門業者・衛生管理の専門家にご相談ください。