屋根・天井の温度が大きく下がる
遮熱シートの効果が最もはっきり出るのが、屋根・天井の表面温度です。あるメーカーのサーモカメラ計測では、未施工の天井表面が51.8℃だったのに対し、遮熱シート施工箇所は21.9℃と、約30℃もの差が確認されました。屋根材がため込む熱を大幅にカットできることを示しています。別の実証でも、輻射熱を約97%反射し、室温を最大約9℃抑えた例が報告されています。
冷房の電気代が下がる
室温が下がれば、冷房の負荷が減り、電気代の削減につながります。遮熱シート「サーモバリア」の実証データでは、冷房の消費電力を18〜27%削減できることが確認されています。
試算の例では、延床500㎡規模の小型倉庫・軽作業工場で冷房の電気代が年間150万円かかる場合、18〜27%の削減で年間27〜40.5万円の節約になる計算です。規模が大きいほど削減額も大きくなります。冷蔵・冷凍倉庫を含め、年間のエネルギーコストが最大53%削減された事例も報告されています。費用と回収の考え方は費用相場の記事をご覧ください。
なぜ効果が出るのか
夏の暑さの主な原因は、太陽から放射される輻射熱です。金属屋根は夏に表面温度が60〜70℃に達し、その熱を室内へ放射します。遮熱シートは高純度アルミでこの輻射熱を反射(反射率94〜99%とされます)するため、屋根からの熱の侵入そのものを減らせます。空気を冷やす空調とは違い、「熱を入れない」ことで効くのが特徴です。「エアコンが効かない」原因の解説はこちらの記事にあります。
効果を出すための条件(ここが重要)
ただし、遮熱シートは「貼れば必ず効く」ものではありません。効果を出すには条件があります。
- 施工品質:隙間や浮きがあると反射効果が落ちます。丁寧な施工が前提です。
- 通気層の確保:湿気の逃げ場をつくることで、結露を防ぎつつ性能を保てます。
- 弱点の補完:遮熱シートは対流熱・伝導熱には弱いため、断熱材と組み合わせるとより安定します(詳しくはメリット・デメリットの記事)。
つまり、効果が出るかどうかは製品より「屋根の状態に合った施工ができるか」に大きく左右されます。だからこそ、業者選びが重要です(失敗しない遮熱業者の選び方)。
まとめ
遮熱シートは、適切に施工すれば、屋根・天井の温度低下と冷房電気代の削減という形で、効果を数字で確認できる建材です。過度な期待は禁物ですが、条件を満たせば投資に見合う効果が期待できます。製品ごとの違いは主要製品の比較をご覧ください。
出典
- 遮熱シートメーカー・施工会社が公表する実証データ・施工事例(ライフテック「サーモバリア」、BXテンパル「はるクール」、クライマテック、中山建装 ほか)、静岡大学との共同実験
※ 数値は特定条件での実証・試算例であり、効果は建物・気候・施工品質により異なります。目安としてご覧ください。